最終更新日 2024年4月15日
「USCPAってどんな資格?」
「USCPAの資格を取得するメリットが知りたい」
「USCPAの資格を取るための勉強時間はどれぐらい必要?」
USCPAとは「U.S Certified Public Accountant」の略で、米国公認会計士協会が認定する公認会計士資格を指します。
アメリカの各州が認定している資格ではありますが、日本を含む様々な国で受験することが可能です。
試験は「Financial Accounting &Reporting(財務会計)」、「Business Environment &Concepts(ビジネス環境および諸概念)」、「Auditing &Attestation(監査および証明業務)」、「Regulation(諸法規)」の四つの科目で構成されており、各科目の満点は99点、75点以上が合格点となります。
全科目に合格し、各州が定める条件を満たすとライセンスの申請が可能となりますが、一度にすべての科目に合格する必要はありません。
この点は日本の税理士試験と変わりはありませんが、各科目の合格有効期限は18ヶ月となっているため注意が必要です。
また、日本の公認会計士試験は2006年度の制度改正により受験資格が撤廃されましたが、USCPAは受験する州ごとに受験資格が設けられています。
一般的には、学位の取得や一定の学科での単位取得が求められるので、受験を検討している方は各州の受験要項を確認しておきましょう。
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USCPAの資格を取得するメリット
USCPAは、あくまでアメリカの各州が認定する資格なので、取得したからと言って日本では会計士として会計業務を行うことはできませんが、この資格を取得することには多くのメリットがあります。
キャリアアップにつながる
まず挙げられるのは、キャリアアップにつながることです。
アメリカをはじめとした海外と日本とでは、採用されている会計基準が異なります。
そのため、外資系企業などでは日本の公認会計士だけを取得していても活躍しにくく、評価もされにくい傾向があります。
しかし、この資格を取得すればアメリカの会計基準についての知識があることを証明することが可能です。
これにより、アメリカに本社を構える外資系企業などでも評価されやすくなります。
特に、外資系企業の経理職や監査法人・会計事務所、コンサルティングファームなどでの需要が高いため、取得することで会計士としての活躍の場を増やすことができます。
グローバルに活躍できる
グローバルに活躍できるというメリットもあります。
USCPAはアメリカの資格ではありますが、アメリカ国内でしか通用しない資格ではありません。
この資格にはMRA(国際相互承認協定)という仕組みがあり、MRAを締結している国々で会計士として働くことが可能です。
2021年現在、MRAを締結している国としては、オーストラリア・カナダ・香港・メキシコ・ニュージーランドなどがあります。
これらの国々で会計士として働くには適性検査を受ける必要があるとともに、単位条件をクリアしなければなりませんが、それぞれの国で公認会計士試験を受け直す必要はありません。
そのため、この資格を取得すれば会計士として働く場所を増やすことが可能です。
なお、日本はMRAを締結していないため、上記の通りUSCPAを取得しても日本では会計士として働くことはできません。
日本の公認会計士資格と比べると、国内での活躍現場は限られるので、この点については十分に理解しておきましょう。
英語力が証明できる
英語力が証明できるのもメリットのひとつです。
この資格の試験問題は全て英語で出題されるため、合格するためには一定の英語力が求められます。
「クライアントからの相談に対して会計士として専門的な回答をする」といった高度なビジネス英語力が必要な問題も出題されるため、この資格を所有していることで高いレベルの英語力を備えていることを証明できます。
そのため、外資系企業やグローバル企業などへの転職を有利に進めることができ、上手くいけば年収の大幅アップも期待できるでしょう。
USCPA試験に合格するために
以上がUSCPAを取得する主なメリットとなりますが、試験に合格するためには綿密なスケジュールを組むことが重要です。
上記の通り、この資格は科目合格制度が採用されているため、一度で全ての科目に合格する必要はありません。
加えて、日本の公認会計士試験と比べると難易度自体は低い傾向がありますが、一方で各科目の合格には有効期限が設けられているため、全ての科目に合格するまでの流れをしっかりと計画しておくことが大切です。
合格に必要な勉強時間について
また、合格に必要な勉強時間についてですが、これは元々備わっている会計スキルや英語力に大きく左右されます。
会計や英語についての一定の知識がある方の場合は1,000時間ほどの勉強で合格できると言われていますが、十分な知識が備わっていない方の場合は1,500~2,000時間ほどの勉強が必要になるとされています。
まとめ
そのため、特に英語力に自信がない方の場合は余裕を持ったスケジュールを組むとともに、最初に英語の勉強に取り組んで問題文を正確に読み取れる力を身に付けると良いでしょう。